2月23日、TOHOシネマズ日比谷で「グッバイ、ドン・グリーズ!」を観ました。年明けてからなんやかんやあってなかなか映画館に足を運べずにいたので、今日はいい日になりました。
いきなり話が逸れるが、私は日比谷が好きだ。都心のビル群を遠目に自然を感じられる場所。そう、日比谷公園があるから。そこらへんにカワセミやスズメ、カモなんかがいるし、春になるとネモフィラやチューリップが目を楽しませてくれる。少し歩けば東京駅。丸の内や大手町のオフィス街にもほど近い(丸の内にはこれまた好きな丸善本店がある)。有楽町や銀座も徒歩圏内だ。日本各地のアンテナショップが集積していて散策にもちょうどよい。暇があれば近くの東京地方裁判所、東京高裁、最高裁へ裁判傍聴へ行けるし、お腹が減ったら農林水産省の食堂で昼飯を食べられる。
そしてなにより好きなのが、日比谷公園内にある「日比谷図書文化館」。平日はたしか午後10時まで開館している。なぜ好きかと云えば、まず、来館者にヘンな人があまりいないこと(一度近所の図書館へ行ったが、騒ぐ人、マナーモードに設定しない人、挙動がおかしい人...等がいてとてもゆっくり過ごせるような場所ではなかった)。ほかにも、おすすめ本のセンスがよい、席が空いてない場合は隣接しているカフェへ逃げ込める...など。読書以外にこれといった趣味を持たない私にとって、快適な読書環境の確保は最重要課題であり、死活問題なのである。現状、私が導き出した最適解が日比谷図書文化館だったというわけだ。あんまり人が増えてほしくないのでアレなのだが一応Googleマップを召喚しておこう。
閑話休題。映画の話でございました。
今回「グッバイ、ドン・グリーズ!」をチョイスしたのは、ねりまさんのツイートを読んだのがきっかけだ。
いしづかあつこ監督『グッバイ、ドン・グリーズ!』、おもしろかった!男子3人が田舎の山中をほっつき歩くローカルなロードムービーから、遥か彼方の遠い場所までたどり着いてしまう飛躍の仕方がお見事でした。ある種の痛々しさに愛着を感じさせる巧みな演出に負けました!
— ねりま (@AmberFeb201) 2022年2月18日
映画評は上で紹介したねりまさんのブログに譲るとして、この映画を観て思い出したことの一つを紹介することにします。
この映画のひとつのキーに「視点の移動(ズームイン・ズームアウト)」があると思います。登場人物が何度か「空から見下ろしてみると色々な発見があるよ」みたいなことを言います。(テキトーか)(趣は違うけれど、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』(岩波文庫)の「へんな経験」の話に似てるかも)
この「視点の移動」の話で思い出したのが、緊張しない方法についてだ。大学受験か高校受験かで誰か(本だったかもしれない)が教えてくれたこと。曰く、「緊張した時は、いまあなたが座っているこの椅子と机とあなたの姿を上から眺めていると思ってください。そして視点を引いて教室を出、空中100メートルへ行きましょう。学校全体が見渡せましたね。そしてぐんぐん上昇して大気圏も抜けて宇宙へ出ましょう。地球が見えなくなるまで行ったら、そしたら今度は逆のことをしてください。どんどんとズームアップしていくのです。そしていままさに試験を受けようとしている君を想像してごらんなさい。そうすると、いま目の前でやっていることがとても小さなことに思えるでしょう」──たしかそんな話だった。この方法は万人に効果があるかはわからないが、不思議と私には効果があった。以来、緊張する時はこれを実践している(わりとずぼらなので時々やっている程度だが)。
地球規模・宇宙規模で考えれば、いま私が試験の答案に鉛筆の先を滑らせていることなど塵が舞っているようなもので大したことではない。だからこそ過度に緊張せず全力でやれ捨て身でやれということだと私は受け取っている。
映画の内容にはほとんど触れられなかったがいろんなことを想起させてくれる快作だったことは間違いない。
日比谷のTOHOシネマズ、設備がとってもよかった。今度は「ちょっと思い出しただけ」と「コレクティブ」を観に行きたいな。ストゼロを煽りながらこのブログを書きました。また会おう。