盛日和

日記のようなもの

地震発生時の状況(2022年3月16日)

16日午後11時36分頃、福島県沖を震源とする地震があり、宮城・福島両県で最大震度6強を観測した。気象庁によると、震源の深さは約60キロ、地震の規模を示すマグニチュードは7.3と推定される。同庁は宮城県福島県の沿岸に津波注意報を発表した。

地震発生時、私は東京・神田間の山手線内回り電車に乗車していた。弱い揺れが10秒ほど続いたあと強い横揺れに見舞われ、電車車両が音を立てて揺れているのがわかった。東京23区では震度4を観測。私は立って乗車していたが、吊革を掴まなくとも転倒は免れた。

午後11時39分頃、「NHKニュース・防災アプリ」のプッシュ通知で宮城県福島県地震が発生したことを知る。その後まもなく津波注意報が発表された。「NHKプラス」を立ち上げると、アナウンサーが上ずった声で地震の情報を伝えていた。車内では電話で安否確認を取る男性会社員の姿が見受けられた。電車はそのまま走行したのち、次の神田駅で停車した。私は電車を降り、中央線のホームへ向かった。中央線の電車は上下線ともにホームに停車していたが、御茶ノ水・新宿方面行きは車両の一部が前にはみ出すかたちで停車しており、安全確保のため最後部車両のみドアが開いていた。反対側ホームの東京方面行きは全車両のドアが開いている状態だった。

その後のニュースで、宮城・福島両県で最大震度6強を観測したことを知った。ここで初めて事の大きさを認識させられた。11年前の東日本大震災の生々しい映像が頭をよぎった。今回の地震は深夜に発生し、津波の到達も深夜帯が予想される。もし前回と同規模の津波が発生すれば、死者・行方不明者数は比較にならないほど跳ね上がるに違いない。悪夢だと思った。心拍が上昇するのを感じ、息を吐く時に目の奥に涙が溜まるような感覚を覚えた。足元から力が抜けていくような感じもあった。

冷静を保つよう努めよ、ともう一人の自分が自分に𠮟咤するので、これじゃあいかんと両足に力を込めた。やってみると案外ケロッと切り替えられるもので、自分はサイコパスかもしれないと思うなどする。冷静さを取り戻すと妙なことが気になり出す。月が異様に明るいこととか、飲みつぶれた20代前半とみられる女性が「えぇ、電車動かんの??まじ無理なんだけどぉ」と隣にいる男性に悪態をついていることとか、明日の朝刊の最終版の紙面には間に合うかなとか、今頃叩き起こされてる先輩がいるんだろうなとか。すべて私が心配しなくてもいいことだ。

駅ホームでは「現在、線路の安全確認のため全線で運転を見合わせています。運転再開まではしばらくかかる見込みですので、車内にてお待ちください。お急ぎのところ大変申し訳ございません」と繰り返しアナウンスが流れていた。さてどうやって帰ろうか。レンタルサイクル、タクシーで帰ることも考えたが高くつきそうなので一旦見送った。テレビはバックグラウンド再生ができないため、「らじるらじる」をダウンロードし、ラジオから情報を得ることにした。

午後11時51分、岸田首相が「官邸に入ります。」とツイート。午後11時54分、徒歩で首相公邸発。午後11時55分、首相官邸着。報道各社のインタビュー。徒歩1分なのが近すぎて笑った。

午前0時30分頃、中央線に先んじて山手線、京浜東北線の運転が再開されるとの放送があった。山手線外回りで帰ることにした。まもなくしてホームに滑り込んできたのは大崎止まりの電車。大崎駅で下車。次の電車を待つ間、スマホで動画を撮影。午前0時58分頃、渋谷・新宿方面行き外回り電車に乗車。無事帰路に就いた。

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